https://natalie.mu/music/news/412450
誰に対しての感情なのかもわからんけどなんか色々悔しいから、STICKYのカッコよさは説明不要だけど説明する!
そもそもSTICKYの音源自体を聴いた事ない人や、「BESとSEEDAだけでしょ?」って思ってる人や、「なんとなく聴いてた」って人とか、まぁそういう人たちが「ちゃんとSTICKYの音源聴いてみるか」ってなってくれたらいいなと思って・・・・
てのは建前で、本当はなんかやりきれないからSTICKYのアルバム聴きながらSTICKYについて自己満的に思いつくまま書いていく。
apple musicでもspotifyでも何でもいいし、CD持ってても極力ストリーミングで再生しよう!!
SCARSで一番最初にヤバいと思ったラッパー
リアルタイムな世代じゃない子たちでもSEEDAやBESがヤバいラッパーってのは分かると思うけど、当時俺がSCARSの1st「THE ALBUM」を聴いた時に一番刺さったのがSTICKYやったんやで!!
っていうのも、SEEDAとBESはたしかにヤバいと思ったけど、当時はその凄さを今ほど理解できてなかった。それぞれSCARSのアルバムを先に聴いたのかどうか忘れたけども、どっちにしろ今ほど「凄い」とは正直思えてなかった気がする。
A-THUGに関しては「結局、お前はハスラーなのかギャングスタなのかラッパーなのか?」ってツッコミながら聴いてたと思う。(今となっては1stがクラシックやと思うほど好きやけど!)
そんなわけで俺が「SCARSヤバイな!」って思った理由はたぶん当時の世間の評価と違って、俺にとっては歌物っぽいフローでメロウに乗せれるbay4kと、落ち着いたトーンで淡々とラップするSTICKYの2人の存在やった。
当時は今以上に安定感のあるオーソドックスなスタイルに耳が慣れてたから、STICKYのラップが心地よく感じてた気がするし、逆にSEEDAとBESに関しては「上手いけど長く聴くにはしんどい」みたいな 笑
ちなみにbay4kに関しては音源が先やったから後日MTVだかスペシャーの映像で本人見て「え?こんなゴツい奴があんなメロウなラップしてんの?マジで!?」って衝撃受けた記憶がある 笑
今考えるとスキルフルに暴れ狂うSEEDAとBESが居て、メロウなフローで変化をつけれるbay4kが居て、分かりやすく耳に残るパンチラインを残すA-THUGが居て、個性が突き抜けてて凄いなぁと思う反面、その中ではSTICKYは地味な方やったと思う(MANNYは音源が少ないから何とも言えない)。
でも、SCARSでのメインのトピックである「ハスリング(=ストリート)」のシリアスな雰囲気ってのは、やっぱりSTICKYのヒリついたラップがあったからこそやと思うし、ある意味「SCARS感」っていうのはSTICKYが占めてた部分が大きいと思う。
もしもSTICKYがおらんかったらSCARSは同じトピックを扱っててももっと飛び道具集団みたいな感じに見えてた気がしなくもない。
HIPHOPはそのラッパーのバックボーンを知ってから好きになるパターンが結構あるし、逆に言うと始めて聴くcrewの作品は、ヤバいと言われるグループであっても何人かは印象に残らんかったりする事が多いけど、SCARSはあまり知らん状態で聴いた筈やのに全員ラップが耳に残った数少ないcrewやった気がする。
話は逸れるけど、当時はSEEDAやBESみたいに「そんな乗せ方できるん?」って驚くようなスキルフルなラッパーはまだ少なかったし、A-THUGみたいに「スキルがあるとは思えんけど、毎回パンチラインを残すラッパー」っていうのも少なかったというか、そんなに認められてなかった気がする。
そういう色んな面でSCARSの登場は衝撃的やったから、おっさん達がやたらと「SCARSはヤバい」っていうのはそういうインパクトも含まれてるんやけど、若い子の中で「言うほど凄いグループか?」と思ってる人が居たとしても不思議ではない。
今はSCARSみたいに「ハスリング」をテーマにしてるラッパーも、SCARSのメンバーみたいなラップする人たちも多いから珍しさはないと思うし。
でも今まさに書きながら思ったけど、そういう意味では乗せ方云々のテクニックじゃなく、良くも悪くも「(斜に構えた)attitudeだけ」で勝負してたSTICKYみたいなラッパーは、令和になった今も似てるラッパーさえ見つからんな。
自虐的だけど前向きな魅力
STICKYの曲の大半は「ハスリング」というテーマの中に「裏切り」や「金」というトピックが含まれてるものが多く、一見すると後ろ向きに捉えられるかもしれん。
トラブルはいつもHustle
07/08/26 – STICKY
知り合いとの関係がいつも壊れる
だからこそいつも言われる
止めたらもっとラクになれる
ヤルかヤられるかの毎日
嘲笑う – STICKY feat 漢
裏通り 新宿川崎 ストリートは騙し合い
FakeなLoveとFuck Wanna be
でも実際は後ろ向きどころか、かなり前向きで共感できるし、時にはストレートな応援ソングよりも、ドロドロした部分を含めてリアリティのある分勇気付けられる。
例えば1stアルバムの中の「生きてく為の術」という曲は、タイトル通りSTICKYの生き方をテーマにしていて、リリックを引用するとこんな感じ。
笑顔でいたいなら金が必要
生きていく為の術 – STICKY feat KENJI YAMAMOTO
だろ?嫌いだよ綺麗事
徐々に信用されなくなる
生きていく為の術 – STICKY feat KENJI YAMAMOTO
口ではいくらでも言える
そのうち居場所を失う
病んだ目は口ほどにモノを言う
ウソと自己満に溢れた世の中でちっぽけな俺は
生きていく為の術 – STICKY feat KENJI YAMAMOTO
気がつけば愛想笑いができるようになってた
これだけ見ると物凄く後ろ向きに感じると思う。
でも最後のverseでは、
自然と笑える日が来るのは俺が幸せになったら
生きていく為の術 – STICKY feat KENJI YAMAMOTO
辛い時は誰でもあるから無理してでも笑う俺なら
という言葉で締めくくっている。
STICKYは基本的にハスリングをテーマにしてはいるけど、その中で彼が感じている人間関係やお金についての感情は、俺たち一般人となんら変わりないし、誰だって同じように感じる事はあると思う。
他にも「MAKE MONEY TAKE MONEY」という曲では、
下から眺める景色は最低だね
MAKE MONEY TAKE MONEY – STICKY
このまま終われるか人生 金
負け犬遠吠え
外から眺めるどーせ手が届かねぇ
と、後ろ向きに見える言葉のあとに
ストレスを金に変える
MAKE MONEY TAKE MONEY – STICKY
後日RECして金に変える
自分のケツ叩いて試す
NEXT LEVEL深く考えず
たぶんこのまま突入する
MAKE MONEY TAKE MONEY – STICKY
30代も金に夢中
まだ夢の途中
不自由でも余裕
ごく少数 貫くオレ流
STICKYなりの表現で不安がありつつも「やってやろう!」という決意が見える。
こんな感じでSTICKYというラッパーは自虐的なとことか、不安に思ってても少し見栄を張るとことか、そういう人間クサいとこにめちゃくちゃ共感できるねん。
「俺なんてクズでたいした事ない」と冗談半分で自虐的に言ってても、別に人生投げやりになってるわけじゃなく「やってやる」という気持ちを持ってる人とか周りにおったりせえへん?あんな感じよ。
「俺なんて」とか言ってても自虐ネタみたいなもんで、実際は「俺はビッグになるぜ!!」ってストレートに言い切ってる人と方向性は一緒。
俺自身も同じで、別に悲観的でもないのに自虐ネタが身に染み付いてるから、俺にとってSTICKYというラッパーは「生き様がカッコいいから好き」というよりは「親近感が持てるから好き」って感じのラッパーなんよ。
もちろん大前提としてラップのカッコ良さがあるから好きなわけやけど。
「ポジティブは前進/ネガティブは後退」みたいな感じで捉えてる人が思ってる人が多い気がするけど、個人的には「ポジティブ思考の人は楽観的/ネガティブ思考の人は注意深い」だけで、別にどっちが良い悪いじゃなくて、方法が違うだけやと思うねん。
「ネガティブやけど別に後ろ向きなわけちゃうわい!」と。
ま、言葉の意味を辞書で調べた事がないから感覚の話やねんけど、きっとSTICKYの言う「ネガティブ」もそういう意味やと思うし、俺はそれが理解できない人に対して「もうお前に話してもわからんから!ほっといてくれ!!」ってなるねん 笑
何が言いたいかっていうと、STICKYが曲の中でやたら「独り」を強調するのも、そういう感じなんかな?と。
「お前ら、勝手にうるせーわ!」って。
俺はクズだが死んじゃいねぇ
WHERE’S MY MONEY – STICKY
お前に何が分かる
控えめ 気まぐれわがままでも構わねぇ
最後に笑うのはオレだね
そんな感じで、俺自体は「ネガティブな思考」にマイナスなイメージを持ってないってのもあるからかもしれんけど、STICKYの曲を聴いてたら自虐的な部分も茶目っ気や照れ隠しに見えてくる。
例えば
ガキの頃から変わらねぇもの
一匹狼 – STICKY feat 林鷹
みんなでよりも1人で行動
相手よりも自分の都合
誰よりも自分愛す人
みたいに事あるごとに1人を強調するのに、
考えるより行動
タマには・・・ – STICKY feat BRON-K
ダチの言葉が俺の背中を押してくれた事
感謝してるよ My Homie
気のおけないアイツらはいつも立ち止まる俺の先を行くから
タマには・・・ – STICKY feat BRON-K(BRON-K verse)
Yeah Homie 見せつけてやるぜ
誰にも負けちゃいないと
みたいに、しれっと仲間への感謝を見せるとこに照れ隠しに似たような部分を感じて勝手にほっこりする 笑
仲間への感謝の気持ちを丸々1曲よりもリアルな感じするやん?
ラップに関して本音と建前を使い分けてはいないんやろうけど、「恥ずかしさ」みたいなのがあってちょっと誤魔化すところが見え隠れしてるというか。
さっきも書いたけど、きっと基本自分を下げる自虐的な部分にも少なからずそういうとこがあると思うねん。
そりゃビッグマウスのラッパーもカッコいいけどさ、STICKYみたいな自虐的な人の方が親近感ない??
目線が一緒というか、STICKYが素直に前向きな言葉を使ってる時はそれはそれで「お!今は調子いいな」とか、勝手に一緒に頑張ってる気になれんねん。
だらだらと流れに任せて書いてるから何をどこまで書いたか忘れたし、さっきから同じような事を言ってるだけの気がしなくもないけど、結局のところSTICKYというラッパーは、ただただ「結局こういうもんやから、俺はそれを踏まえてこう生きてるよ」って言ってるだけの事なんよ。
そして、それを捻くれた角度から放り込んでくるところが魅力なわけで。
自分のケツは自分で叩け
Mic Life – BES feat STICKY, KING104
甘ぇ考えはすぐ捨てちまえ
おすすめのSTICKYのverseが聞ける曲
異論は認めます!
順位はつけられないので順不同で。
ORANGE feat JJJ
JJJの「Hikari」というアルバムに収録された曲。
どう聴いてもエモい気持ちになるだろう綺麗なトラックの上でも
俺は知ってる 追い詰められたらすぐ逃げる
ORANGE – JJJ feat STICKY
ダチが困ってたとしても助けることもできず
結果シカト fake love
そう来るなら俺もそうする
みたいな斜に構えたSTICKY節は健在で、
起き上がるのは転ぶから
ORANGE – JJJ feat STICKY
強くなれるのは学ぶから
傷が増えたのは馬鹿だから
俺のHoodは川中島だ
それでもやっぱり前向き且つ綺麗事だけでは終わらせない締め方が凄い好き!
マジでこの締め方は芸術的過ぎる!!初めて聴いた時は鳥肌立った!!
ネバギバ feat BES
BESの「REBUILD」に収録された曲。
まず、この不安を駆り立てるようなbeatがSTICKYに合いすぎ!笑
彼女のうつ病と親の離婚
ネバギバ – BES feat STICKY
身内の不幸も重なりbad
誰もいない場所 俺だけの世界
俺の帰る場所はどこ?
からの
いい事なんか全然ないけどヤるしかないからヤるだけだろ?
ネバギバ – BES feat STICKY
色々あってめんどくさいとこ
夢も希望もないどん底
ブレへんな、おい!
どんな時でも泣き言で終わらないのがSTICKY!!
オチツカネェ feat SEEDA, ESSENCIAL
SEEDAの「SEEDA」に収録されている曲。
SEEDAのverseはフローの感じも含めて「ぷぷっ」と笑ってられるけど、STICKYのverseは声のトーンもあって場合によってはbad入ってしまいそう 笑
汗ばむ手
オチツカネェ – SEEDA feat ESSENCIAL, STICKY
震える声
ポケットのパケ
胃の中の酒
なぁ落ち着け 落ち着け 落ち着けったら落ち着け
嘲笑うfeat 漢
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
一般的に「どんな相手にも面と向かって本音を言う」方がなんか男らしくてカッコいいイメージあるやん?でもSTICKYはそれとは真逆。
タイトルが「嘲笑う」っていうように、STICKYは堂々と
映画俳優ばりの名演技
嘲笑う – STICKY feat 漢
その笑顔で稼ぎ出す銭
と、表面上はニコニコしてまっせ!っていう潔いスタイル 笑
ともすれば「腹黒の八方美人」とも捉えられかねんけど、なんか一周回って逆にカッコいい!
ちなみに漢のverseは随所に「クスっ」と笑えるとこがあって、個人的には漢の楽曲の中でもユーモアとリリカルさの面はかなり上位に入る出来やと思う。
生きてく為の術 feat KENJI YAMAMOTO
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
落ち着いたトーンでささやくようにラップしてるSTICKYはもちろんカッコええねんけど、めちゃくちゃ綺麗な歌声で
わからないように気持ち
生きてく為の術 – STICKY feat KENJI YAMAMOTO
偽り時に嘘つきごめんなさい
下手な嘘はすぐにバレるからやめとけ
相手選んで使う生きてく為の術
っていうHOOK歌ってるKENJI YAMAMOTOが色んな意味ヤバい。
ここだけ見てたらめちゃくちゃ小狡い奴に見える 笑
きっとSTICKYに合わせたか、歌詞を指定したんやと思うけど、ここまで卑屈な感じのHOOKは珍しいのではなかろうか 笑
でもSTICKYだとこういうリリックがカッコよく感じる不思議!!
一匹狼 feat 林鷹
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
一匹狼という曲名ではあるものの、STICKYと林鷹(GANGSTA TAKA)の2人の客演が多かったから、当時はニコイチのイメージがあった 笑
俺の中で勝手にSTICKYのスタイルを代表する曲やと思ってる。
所詮一匹狼なんてわがままで自分勝手
一匹狼 – STICKY feat 林鷹
それ知っててIt’s My Style
そのまま跳ね返ってくる人生
この常に冷めた感じね。
でも、ここまで言っててもSTICKYの作品ずっと聴いてたら全然自己中な人間に思えんのよ。
良い人感が出すぎてしまってるヒールキャラみたいなイメージ。
あと林鷹の反則級のリリックね。
えせ組織の中じゃ生きていけない
一匹狼 feat 林鷹
俺は虫かごにゃ収まりきらない
あと2人Deadすりゃ俺の時代
一匹狼 feat 林鷹
なぁー いつまで潜ってりゃいいんだ
嘘の人情 義理も何もねぇ
当時の詳しい状況は知らんけど、リリックをストレートに受け取ったら潜伏期間中やろ?
そんで自分のいる組織にそんな事言っていいん!?とか、しかもこの曲だけPVあるし、何かと「daijoubu?」って感じ。
ちなみに林鷹も1stめちゃくちゃ良かったから首を長ーくして2nd待ってるけど一向に出ない・・・最近立て続けにシングル配信してたしソロソロ2nd来るかな!?
タマには・・・ feat BRON-K
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
出だしから、
朝起きたら何か気分がいいな
タマには・・・- STICKY feat BRON-K
カーテンの隙間 光が差し込む部屋
とか言っちゃって「おお!今日は(この曲を書いた時は)調子ええな!」とか思わせてくれる、STICKYにしては曲調もリリックもほのぼのした曲。
個人的には
ローチに火をつけて
タマには・・・- STICKY feat BRON-K
そのうち電話がまた鳴って
何個?えっ??ちょっと待っていきなり100個って・・・
でもオッケー!
っていうとこの「でもオッケー!」のテンションが愛くるしくてめちゃくちゃ好き 笑
俺が知る限り、ここのテンションはたぶん他の作品でも出てないと思う 笑
あといつも通りBRON-Kは神。
同じ環境 違う場所 feat 鬼
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
(主にダークな)情景の描写力が半端ない鬼とSTICKYの組み合わせ見るだけで「きっと暗い曲なんやろうなぁ」と思うやんか。
鬼は相変わらず小説かよ!?って思うぐらいの表現力。
煙に煤ける窓と
同じ環境 違う場所 – STICKY feat 鬼(hook鬼)
羽乾かす油にじむカモメとカラス
でもSTICKYも引けを取ってない。
オヤジでも街の獲物
同じ環境 違う場所 – STICKY feat 鬼(STICKY verse)
ボロアパート独りコンビニ弁当食う
給料袋握り外へ出る
行き先仲見世か競馬場
光と影見え隠れした
同じ環境 違う場所 – STICKY feat 鬼(STICKY verse)
汚れた空気街は潤った
このリリックだけじゃわかりにくと思うけど、「オヤジ視点」じゃなくてあくまで「街視点」なのが何気に凄いなと思ったり。
いやまぁそこまでめちゃくちゃリリシストやな!って感じでもないんやけど、この曲聴くまでもっとストレートな表現しかせえへんラッパーなイメージあったからさ。だいたいの曲は自分視点やし。
終わりなき道
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
SEEDAなら「花と雨」、BESなら「One Day」に匹敵するようなSTICKYの名曲!
今見たらamebreakが閉鎖してて読めなくなったけど、たしかインタビューでi-deaからBESの「評決の時」だったか「One day」だったか忘れたけど、それぐらいの「泣ける曲を作れって言われた」みたいな事言ってた気がする。
STICKYがラップを始めてから本気になるきっかけが分かる曲で、めちゃくちゃエモい!!
仮にSTICKYのラップを聴いて魅力を感じた事が無い人でもこの曲は別格に感じると思う。
少なくともこの曲だけは聴いておけ、マジで。
DAY-N-NITE feat SEEDA
STICKYの「WHERE’S MY MONEY」に収録されている曲。
この曲も「終わりなき道」に匹敵するぐらいエモい。
生き方の違いをHookで綺麗に表現してて、曲の構成が芸術の域!
金か愛か名声かWAY OUT
DAY-N-NITE – STICKY feat SEEDA
きっと知らない世界もDAY N NITE
月にもある表裏WAY OUT
ヤツが寝る頃オレはWAKE UP
オレが寝る頃アイツがWAKE UP
胸張って出れんだよ DAY N NITE
オレは何処へ行くDAY N NITE
お前はソコにいるDAY N NITE
起きる時間帯だけで生き方の違いを表現してるなんて、シンプル且つ分かりやすくて感動した。
似たようなとこやと、EGOの「CUT feat OKI」のOKIのverseとかもヤバかった。
Yo!スーツ似合ってらぁ
CUT – EGO feat OKI
そうかも俺変わっちゃない
下げたズボンにNew Eraキャップ
今日もこれから渋谷だわ
ラッパーってほんと凄いよね。
DOGG LIFE
BOOTSTREETのコンピに収録されてる曲。
まずメンツが考えられへんほどエグいやんか。
SCARSにD.OにJASHWONにTWIGYやで!?
で、何が凄いってこれだけのメンツのマイクリレーやのに全員がヤバいっていう。
TWIGYのHOOKは勿論(verseも蹴って欲しかったけど)、腹からスピットするSEEDA、落ち着いたJASHWON、お得意のハイトーンボイスで捲し立てるD.O、安定のSTICKY、歌心のあるbay4k、キレッキレのBES、わかりやすい形でパンチラインをボムっていくA-THUGと、マイクリレーの順番も含めて神がかってる。
なんていうか、beat自体はシンプルというか軽い感じやのに、ここまでそれぞれの色が出るってやっぱり凄いなぁと。
ちなみに俺の中でD.Oといえばこの曲がベースラインになってるから、直近の作品は正直物足りなく思ったりする。
Ma $hit feat I-DeA
I-DeAの「SWEET HELL」に収録されてる曲。
別にそんな好きな曲ではないんやけど、珍しくHOOKでストレートに前向きな言葉を使ってる曲ってことで紹介!
下ばっかり向くななんかある
Ma $hit – STICKY feat I-DeA
大切な物を見忘れる
たまには上を見りゃなんかある
大事な事をまた見落とす
底辺から見るクソな眺め
グダグダ言ってねぇで学べ
探し続け見つけ出す答え
ハイになる
DJ GEORGEとのMIX CDに収録されたエクスクルーシブ音源。このあとどっかに収録されてたんかな?
楽器とかよくわからんけど、シンセサイザー?を使ったSTICKYっぽくないbeatで誰かわからんけどシンガーの人のHOOKが良い感じ。
尚、STICKYのラップはいつも通り 笑
俺がポジティブならクレイジー
ハイになる – STICKY
ネガティブでHighになる
STICKYのネガティブという言葉に込めた意味分かるよ!!
ない!! feat タイプライター, JASHWON
タイプライターの「0(ZERO)」に収録された曲。
いつもよりちょっと気持ち強めのSTICKY。
10年前の俺と今の俺
ない!! – タイプライター feat STICKY&JASHWON
変わったのは女と住所だけ
胸を張れ
俺は俺
出だしからコレもんですよ!
期待されてない未来
ない!! – タイプライター feat STICKY&JASHWON
後ずさりしない事が条件
ただの目立ちたい奴らとの違い
結局はお前次第だろ?
ちなみにこのアルバムに収録されてる最後の曲、『特殊MIC部隊 feat.RINO LATINA II, ZEEBRA, DABO』は、日本語ラップ史の中で5本の指に入るくらいラップ巧者の3人が爽快にBeat上を駆け抜けるめちゃくちゃカッコいい曲。
RINOもZEEBRAはやっぱりこれくらいテンション高い方がカッコええねんて!DABOも今と違ってキレキレの全盛期のラップ。
窓の外 feat bay4k
bay4kの「I am…」に収録されてる曲。
これはなんというか、リリックとかじゃなくてSTICKYの乗せ方とかbay4kのHOOKとかを含めて「なんかよくわからんけど好き」な曲 笑。
この曲のSTICKY「天気が気持ち良いなー」とか「これ欲しいなー」とか言ってるハスリングと関係ないほのぼのした曲。
・・・と思いきや、
道端カスと交わす挨拶
窓の外 – STICKY feat bay4k
幾らか乗っけて売り飛ばす
止まることはなく客が困る
Can’t Stop Hustle Hustle….
やっぱりどんな曲にもハスリング要素は欠かせないのね 笑
そして客の扱いがめちゃくちゃ酷でぇ….笑
個人的にはSTICKYとbay4kってラップの相性は良いと思うんよね。STICKYのラップは良くも悪くも淡々としてるから、STICKYにとってはbay4kみたいな人をソロでやる時の客演に招いたらええのにとか思った気がする。
たしか1st出た時のインタビューでbay4kとのトラブルは「仲間内で既にネタになってる」みたいな事言ってた気がするし、STICKYの1stにも参加して欲しかったなbay4k。
ちなみにこのアルバムに収録されてる「SCARS is…」はA-THUGもMANNYも参加してないから当時のフルメンツではないけどSCARSの曲としてもおすすめ。
ところでSTICKYが
期待は裏切らない仲間
SCARS is… – bay4k feat SEEDA, STICKY , BES
って言ってるけど、まさかのこのアルバムの張本人であるbay4kと揉めるとは…皮肉。
罪深いbay4k。
なんかあまり知られてないっぽい気がするけど、このbay4kの1stもクラシック級やねんで!機会があったら聴いてみて!!
思いつくまま書いてみたけど
STICKYはフルアルバム1枚といくつかのE.Pだけで本人名義じゃない作品(SCARSも含めて)の方が圧倒的に多いから、もしかしたら後から「あ、これもあったわ!」というのも出てくるかも知れんけど、思いつく範囲で好きなのはだいたいこんな感じ。
しかし今回この記事を書くにあたって改めてSTICKYを音源を中心に聴いてみたけど、本人名義だろうがCrewの作品だろうが客演だろうが、スタイルが一貫してブレてないし、内容もほぼハスリングに纏わるトラブルばっかり。
でも何故かSTICKYの場合は「もうええって!」ってならんのよな。
それはたぶん俺が勝手に親近感を持って、これまた勝手にSTICKYのリリックに普遍性を見出してるからやと思う。
とにもかくにも、STICKYの新作が二度と聴けへんのは単純にヘッズとして辛過ぎる。
いくら過去の良い音源であるって言ったって、それだけじゃ満足できんねん!!
それでも、、、、ありがとうSTICKY!!